火星人は私たちの中にいる。これは冗談ではない。国の地図を見ると、文字通り宇宙の名を持つ集落がいくつもある。ロシアには「火星」、「金星」、「木星」、「月」、「オリオン」が様々な地域に存在する。しかし、そこで宇宙開発が行われているわけでも、宇宙飛行士が訓練されているわけでもない。そのような場所は宇宙とどのような関係があるだろうか?
モスクワ州ルザ地区の火星村
Mark Nakoykher (CC BY-SA 4.0)モスクワの北西、古都ルザの近くに「火星村」という標識があり、写真を撮らずに通り過ぎることはできない。今日、その村には数十人の「火星人」しか住民登録されていないし、観光名所もない。
また、ロストフ、オリョール、ニジニ・ノヴゴロド、キーロフ、カルーガ、クルガンの各州やバシキリア共和国にも同名の村がある。そして、それらはすべて火星にちなんで名付けられた。
集落の名前として 2 番目に人気のある惑星は金星だ。そのような集落はサマラ、オレンブルクの近くや、モルドヴィア共和国にある。リペツク州の「金星村」は1970 年代に市の小さな地区になった。
リペツク市の金星地区
@olessacherkバシコルトスタン共和国とブリャンスク州には「木星」という名前が付けられた村がいくつかあり、オレンブルク州には「天王星村」、タタールスタン共和国には「海王星村」がある。スモレンスクとトゥーラの近くには、「月」という名の集落もある。チュヴァシ共和国とモルドヴィア共和国には「北極星村」がある。
ロストフ州の火星村、1969年
V.Kozlov/Sputnikこれらの集落はすべて1920 年代と 1930 年代に現れた。当時、若いソビエト政権は国民の識字率の向上と文化的啓蒙に積極的に取り組んでいた。リペツク州とヴォロネジ州の地名を研究していたソ連の郷土史家ワレンチン・プロホロフは「宇宙」の名前は田舎で無神論と自然科学の知識を広めることと関連していたと書いている。
当時は、主な話題の一つは宇宙探査の研究者コンスタンチン・ツィオルコフスキーの論文であり、宇宙は大衆文化の中で美化され、複製された。
オリョール州の火星村
Ivan Krivosheev (CC BY-SA 4.0)1924年、火星への飛行とそこで革命を起こそうとする主人公たちの計画を描いたアレクセイ・トルストイの物語を基にした映画『アエリタ』が公開された。1935年、月への探索に関する映画『宇宙飛行』が制作され、その脚本はツィオルコフスキーの監修のもと書かれた。映画は大成功だった。
新しい集落も時代の精神に基づいて命名され、今日まで残っている。
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