16世紀の皇帝の宴では、白鳥、クジャクなどの鳥のオーブン焼きは非常に贅沢な料理だったが、それでもかなりよく目にすることができるものであった。スラヴ人にとって、鴨肉は伝統的に家族団欒、一族の絆、平穏の象徴とされてきたが、食されるようになったのはかなり後になってからである。
鴨を使ったいくつかの料理がエレーナ・モロホヴェツの料理本に掲載されるようになったのは19世紀。彼女が考案したレシピは、キャベツ、キノコ、マカロニなどを鴨に詰め、根菜類やアンチョビのソースをかけるというものであった。中でももっとも一般的で人気があったのが、リンゴと調理した鴨料理。甘くてちょっと渋みがあるコケモモのソースをかければ、北方風の味を楽しむことができる。
鴨肉料理をうまく調理するには、若い鴨を選ぶこと。大きさは2.6キロ以下のもので、冷凍ではなく、冷やしたものを使う。余分な脂肪は前もって取り除いておき、独特のにおいが気になる場合は下味をつけておく。鴨に完全に火が通るか不安だという場合は、事前に20分ほど塩水で茹でておくとよい。
ここでは、モスクワのレストランDrinks@Dinnersのシェフ、エヴゲーニー・ミハイロフさんのレシピ、鴨肉のリンゴ添え、コケモモソースがけをご紹介しよう。
1. 下味の材料をすべて混ぜ、鴨を漬け、一晩置く。
2. 鴨をアルミホイルに包み、140℃のオーブンで3―4時間焼く。ナイフでもっとも厚い部分を押してみて、透明な肉汁が出てきたら焼きあがり。アルミホイルを外し、テリヤキソースを塗り、180℃にしてさらに30分、きれいな焼き色がつくまで焼く。
3. 付け合わせを作る。リンゴはフライパンで、砂糖とハチミツと一緒に、きれいな黄金色に焼く。
4. コケモモソースは、鍋にコケモモ、砂糖、バルザミコ酢を入れて沸騰させる。コケモモから果汁が出てきたら、鍋を火から下ろし、ブレンダーにかけて、濾し器で濾す。
5. リンゴと鴨肉を大きなプレートに置き、コケモモのソースをかける。
どうぞ召し上がれ!
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