『スター・ウォーズ』世界のイウォークたちの言語はカルムイク語!

Richard Markuand/Lucasfilm, 1983
衛星エンドアの森林に住む、ノームやヌイグルミの熊に似た愉快な容姿の種族、イウォーク族。実は彼らの言語は、カルムイク語なのである!シリーズで音響デザインを担当したベン・バートはカルムイク語を聞いて、遠い銀河の種族が話すのに相応しい異星的な響きがあると判断した。

 バートは、『スター・ウォーズ』の多くのキャラクターのために言語を創造した。それらは地球に実際に存在する言語を基にしているが、観客の大多数にとっては未知の言語である必要があった。シリーズの主要キャラクターの多くは銀河標準語として英語を話すが、様々な惑星の住人にはそれぞれの方言や、独自の言語が存在する。

 イウォーク族の言語の生みの親となったのは、カルムイク人の老女コシ・ウンコーワだった。ロシア帝国時代の1899年にバトラエフスキー村で生まれた彼女は、欧州に移住。その後アメリカに渡り、カリフォルニアで暮らしていた。ある時、彼女の息子の一人に、ルーカスフィルムが映画で使用するための珍しい言語を探しているという情報を知人が伝えた。

 カルムイク語は候補の1つであった。コシお婆さんはカルムイクの伝説や昔話、歌などを録音し、これをベースに、森の住人イウォーク族の言語が考案された。従って、イウォークたちが「yov-yov」と言っている時は、「行け、行け」という意味だと理解するべきなのである。

 ユネスコによると、カルムイク語は消滅の危機に瀕している。2021年の国勢調査によると、ロシアでカルムイク語を話す人工は10万7千人強である。

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