ソ連映画「The Beginning」(1970年)では、ジャンヌダルクの物語が劇中劇として描かれている。近代的な工場で働くパーシャという名の工員(インナ・チュリコワ)は、このフランスの英雄の役を演じないかと提案される。
コメディー映画「Don Cesar de Bazan」(1989年)の舞台は17世紀のスペインでおこったカタルーニャ反乱の時代。ドン・ホセと言う名の大臣は王妃に心を寄せていたが、拒絶され、王に対する悪たくみを企んでいた。ボガティリョフが演じるスペイン王の異様さはとても強烈だ。
アカデミー賞受賞作「戦争と平和」(1967年)はトルストイの小説を原作にしている。ストルジェリチク演じるナポレオンには信じられないほどの高貴さと威厳に満ちている。実際のナポレオンとは違い、この俳優は長身であったのだが、映画では彼の身長を低く見せるような工夫がされている。フランスに行ったときは、ストルジェリチクは地元のファンより花のシャワーで歓迎された。
スモクトゥノフスキーは「一年の九日」(1962年)や「Beware of the Car」(1966年)で知られる伝説的俳優であるが、自身のキャリアの中で、宿命の2人の音楽家を演じる機会を得た。映画「モーツァルトとサリエリ」(1963年)では陽気な天才音楽家を演じた。
その後、映画「Little Tragedies」(1979年)ではモーツァルトを毒殺した悪の天才サリエリを演じた。これらの映画は共にアレクサンドル・プーシキンの戯曲「モーツァルトとサリエリ」をもとにしている。
ミハイル・ボヤルスキーが主役のダルタニャンを演じたソ連傑作映画「ダルタニャンと三銃士」(1978年)で、短い登場時間ではあるが重要な役柄をオレグ・タバコフが演じた。フランス王ルイ13世を彼独自の解釈で表現しており、漫画の主人公のように、弱いが頑固でわがままなキャラクターを演じた。
同じ「ダルタニャンと三銃士」(1978年)でルイ13世妃アンヌ・ドートリッシュを演じたアリサ・フレインドリッヒは素晴らしい演技を見せた。ダルタニャンは彼女の名誉を守るのを助け、愛人に贈ったダイヤの飾りを取り戻したので、王は彼女の不正を知ることはなかった。
テレビの伝記ドラマシリーズ「トロツキー」(2017年)ではスターリンの命によって1940年にメキシコで殺害されたロシアの革命家を描いている。有名なメキシコの芸術家フリーダ・カーロはメキシコのトロツキーを保護していた。ヴィクトリア・ポルトラックが演じたフリーダと同じ役をサルマ・ハエックが演じたのを見比べるのも面白い。
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