ロシアの皇帝たちが使ったガラス製品の傑作15選(写真特集)

ロシア国立歴史博物館
 当時の最高の美術家や工芸士らが、皇帝一家のために特別にこれらの作品を作った。

 皇帝の屋敷のテーブルにはいつでもロシア帝国と外国で見つけることができる最高級の食器が乗っていた。またロマノフ家の多くの貴族たちも自分たちのテーブルのために、最高に優雅で美しい食器や装飾品を発注した。 

 宮廷のためのガラス製品工場は1777年に作られた。エカテリーナ2世が皇帝のために、ガラス工場を買い上げ、皇帝ガラス工場と名付けた。工場の職人たちには次々と注文が殺到したが、また競争相手もいなかった。皇帝ガラス工場はロシアのガラス工芸における流行の軸となった。工場で作られる食器や装飾品は真の芸術品で、非の打ち所のない技術とスタイルが特徴であった。

 すべての品は当時の最高の職人によって作られており、その作品は芸術的価値が高かったのはもちろん、当時の最新の技術が用いられていた。

 たとえば、工場では、ロシアの最初の偉大な自然科学者の1人、ミハイル・ロモノソフがすでに18世紀に色ガラスの作り方を開発した。皇帝ガラス工場の職人たちは、様々なニュアンスの色を持つ色ガラスを持っていたため、カラフルなモザイクやステンドグラスの製作にもそれらを積極的に使用した。

 そうした食器を手に入れることは非常に名誉なことであり、もっとも高い地位を占めていることの証でもあった。高貴な食器は値段も高く、公爵たちの家庭には欠かせないものとなった。

 皇帝ガラス工場の製品は、ロシアのガラス工芸の成果を見せるものとして、世界の権威ある展覧会に出展された。現在、モスクワの歴史博物館のコレクションには、19世紀から20世紀初頭にかけて皇帝一家からの注文を受けて工場で作られた数万点の製品が保管されている。そんな傑作のいくつかをご紹介しよう。

ワイングラス、1810年代
ヨーロッパ地図の上に浮かび上がるスラヴァが描かれた蓋つきカップ、1814〜1819年
水差しとショットグラス、19世紀後半
蓋つき水差し、1830年代
花瓶、サンクトペテルブルク、1830年代
“レーマーグラス”の形をしたワイングラス(ゴシックショックセットより)、1832〜1848年
花瓶、サンクトペテルブルク、1830年代
花瓶、サンクトペテルブルク、1830年代
蓋と鍵のついた小箱、1830年代末
大公女オリガ・ニコラエヴナの婚礼食器セット、1846年
バター入れ、1847年
大公コンスタンチン・ニコラエヴィチのモノグラム入りワイングラスセット、1848年
花瓶、1860〜1870年代
水差しとワイングラス、1880年代
ウォトカ用ボトルとショットグラス、1880年代

歴史博物館の19世紀から20世紀初頭にかけての皇帝ガラス工場製品の展覧会は、2021年8月18日から11月10日にかけて開催される

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