Shutterstock撮影
具だくさんのパイはロシア人に大人気だ。手で持てる小さなサイズのパイはピロシキと呼ばれ、大きいものはピロギーという。具と生地はどちらでも同じだが、ピロギーの場合、生地をめん棒で伸ばして型に入れ、具を詰めてから蓋となる生地をかぶせる。かぶせる生地は格子状であったり、装飾を施したりする場合がある。
お祖母さんの味
ピロギーはオーブンで焼くが、ピロシキは焼く事も揚げる事も出来る。地下鉄駅や鉄道駅の売店で通勤客が買うピロシキは揚げてあるものが多い。私自身は、ピロシキと言えば、私の祖母が作っていた様な焼きピロシキを思い浮かべる。子供の頃、何よりこのピロシキが好きだった。祖母は誕生日、新年のお祝いの席、卒業式や結婚式の際にピロシキを焼いてくれた。特別な日のピロシキが楽しみだった。ピロシキがあったから、特別な日がより特別になったと言っても過言ではないだろう。
「時間がかかるよ」
ピロシキ作りには時間がかかる。生地はイーストで発酵させるので時間がかかり、具を作るのにも時間がかかる。両方準備できたら、中身がこぼれ出ない様に、一つ一つのピロシキを丁寧に形成する。しかし、これだけ手間ひまがかかるからこそ、ピロシキは特別な一品になる。
長い事、祖母にピロシキの作り方を聞いても「時間がかかる」としか教えてくれなかった。やがて、モスクワで外国人向けの料理教室を始めた際、レシピが書ける様に説明してくれるよう、祖母に頼んだ。しかし、祖母は材料を計量した事がなかったので、この作業は非常に難しかった。以来、このレシピでピロシキを何度も作ったが、作るたびに家族でのお祝いの席を思い出す。ピロシキ作りは決して簡単ではないが、家族や友達は喜ぶに違いない。
材料:
小麦粉 1 kg
牛乳 750cc (乳脂肪2.5%)
イースト 30g
卵 2個
砂糖 150g
塩 小さじ1杯
バター 150〜200g
1. 牛乳を鍋に入れ、弱火でかき混ぜながら人肌程度(36度)になるまで温める。凝固しない様に砂糖を少々加える。
2. ボウルに小麦粉、塩と砂糖を入れ、イースト、卵と温めた牛乳を加えて混ぜる。
3. ボウルの側面から生地がはがれる様になるまで、手で捏ねる、もしくはミキサーで混ぜる。ボウルに木綿の布巾をかぶせ、暖かい所に置いて発酵させる(イーストの種類によって、30分から1時間半程かかる)。
4. 生地が発酵したら、溶かしたバターを生地の周りに流し込む。生地がボウルの側面から再びはがれる様になるまで、よく捏ねる。ボウルに木綿の布巾をかぶせ、倍の大きさになるまで暖かい所に置いて発酵させる(イーストの種類によって、30分から1時間半程かかる)。
5. 生地をテニスボール大の塊に分け、手のひらサイズになるようにつぶす。具を入れ、生地をしっかり閉じる。
6. 天板にピロシキをのせる。艶を出す為に溶き卵を表面に塗る。10分程発酵させる。200度のオーブンで20〜25分程焼く。
7. 天板をオーブンから出し、ピロシキを木の板にのせ、あら熱をとる。
具
キャベツ
材料:
キャベツ 半玉
卵 3個
溶かしバター 50 g
塩 小さじ½杯
1. キャベツをみじん切りにする。
2. 鍋にお湯を沸かし、塩を少々入れる。キャベツを沸騰したお湯に入れ、火を消し、5〜10分そのまま置く。
3. ゆで卵を作る。
4. キャベツの水を切り、みじん切りにした卵と混ぜ、バターを加える。
卵と青ネギ
材料:
青ネギ 1束
卵 3個
バターもしくはフェタ・チーズ 100g
1. 無塩バターを使う場合、塩を加える。
2. 卵を茹で、青ネギをみじん切りにし、バター(もしくはフェタ・チーズ)と混ぜる。フェタの塩分が濃い場合、しばらく水に入れ、塩抜きしてから使う。
肉
材料:
合挽肉、もしくは牛挽肉 300g
溶かしバター 大さじ1杯
タマネギ 3
個 みじん切りにする
1. タマネギと挽肉をバターで炒める。水分が足りない場合、ブイヨンを少々加える。
リンゴ
材料:
リンゴ 中4個
シナモン 好みに応じて適量
バター 30〜50g
砂糖 好みに応じて適量
1. リンゴを薄切りにする。シナモン、バターと砂糖と混ぜる。
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